ヌートリア被害と駆除方法|河川・田畑でのトラブル対策

ヌートリア

田んぼのあぜ道が崩れていたり、水辺の植物が食い荒らされていたり…。
そんな時は、ヌートリアによる被害かもしれません。
ヌートリアは南米原産の大型げっ歯類で、見た目はかわいいけれど農業や生態系への影響が深刻です。
一度住みつくと、水田の決壊・農作物の食害・感染症の危険まで引き起こすこともあります。

この記事では、ヌートリアの被害の特徴から安全な駆除方法、再発を防ぐ環境づくりまでを、女性の語り口でやさしくまとめました。
「畑の被害が気になる」「河川沿いで見かけた」という方に役立つ、現実的な対策ガイドです。

ヌートリアとは?意外と知らないその正体

ヌートリアは、南米原産の大型のネズミ科動物で、体長は40〜60cm、体重は5〜9kgにもなります。
日本ではかつて毛皮目的で輸入されましたが、放流や逃亡によって野生化しました。
現在では、岡山・広島・滋賀・愛知などの西日本を中心に定着し、環境省の**「特定外来生物」**に指定されています。

彼らは夜行性で、水辺や田んぼの近くに巣を作り、植物の根や作物を食べて生活します。
繁殖力も非常に高く、年に2〜3回、1回で5匹以上の子を産むため、放置すれば短期間で数が増えてしまいます。


ヌートリアによる主な被害

ヌートリアの被害は、農業被害と環境被害の両方に及びます。

● 農業への影響

  • 水田の稲・レンコン・野菜の食害
  • 水路やあぜ道を掘って崩落を引き起こす
  • 巣穴が増え、用水路の水漏れや決壊リスクが上がる

特に稲作地域では、苗を根こそぎ食べられることもあり、深刻な損失につながります。

● 環境への影響

  • 水辺の植物を食べ尽くして、生態系のバランスを崩す
  • 他の水辺生物(カエル・貝など)の生息環境を奪う
  • 糞尿による水質汚染・悪臭

● 人やペットへの影響

ヌートリアは一見おとなしく見えますが、歯が鋭く、威嚇時は攻撃的になることも。
また、レプトスピラ症などの感染症を媒介する可能性があるため、直接触れるのは危険です。


ヌートリアを見つけたらどうする?

ヌートリアを見かけた場合は、自分で駆除せずに行政や専門業者へ相談するのが基本です。
ヌートリアは「特定外来生物」に指定されており、無許可で捕獲や飼育を行うと法律違反になります。

まずは自治体の環境課や農業振興課に連絡しましょう。
地域によっては、わなの貸し出しや捕獲の補助制度を設けている場合もあります。
また、農地の持ち主であっても、捕獲には都道府県知事の許可が必要です。


自分でできる予防・被害軽減の工夫

● ① 侵入しづらい環境をつくる

ヌートリアは水辺から20m以内を主な行動範囲とします。
田んぼや畑が水辺に近い場合は、

  • 防獣フェンス(金網・鉄柵)を設置
  • あぜ道を固め、穴を塞ぐ
  • 水際に石を積む・草を刈る
    ことで巣づくりを防ぎやすくなります。

● ② 食べ物の残りを放置しない

ヌートリアは雑食性で、野菜・果物・穀物・残飯も食べます。
庭先や農地に食べ物を置いたままにしないことが、誘引を防ぐ第一歩です。

● ③ 忌避剤を活用する

市販の**動物忌避剤(木酢液・ハッカ油)**を使い、侵入口や通り道にまくと、
一時的な追い出し効果が期待できます。
ただし雨や時間で効果が薄れるため、定期的な散布が必要です。


駆除業者に依頼する場合の流れと費用

● 駆除の流れ

  1. 現地調査(足跡・巣穴の確認)
  2. 捕獲許可の申請(自治体経由)
  3. わな設置・捕獲
  4. 清掃・防獣対策施工(フェンスなど)
  5. 再発防止の定期点検

● 費用相場

作業内容費用目安(税込)
現地調査・申請サポート無料〜5,000円
捕獲・駆除(1〜2頭)20,000〜50,000円
巣穴の埋め戻し・防獣フェンス設置30,000〜80,000円
定期点検・再発防止施工50,000〜100,000円

再発を防ぐ「環境づくり」がカギ

ヌートリアは、追い出しても環境が変わらなければ戻ってきます。
再発防止のためには、以下の点を意識しましょう。

  • 河川や田の周囲の草刈りを定期的に行う
  • 水路や畔のひび割れを早めに補修
  • 防獣ネットを張って巣穴を作らせない
  • 自治体の防除活動に協力する

個人での対応には限界がありますが、地域全体で取り組むことで長期的な効果が得られます。


まとめ|ヌートリア被害は「早期対応」が鍵

ヌートリアは見た目がかわいくても、田畑・河川に深刻な被害を与える外来生物です。
放置すれば数が増え、被害も広がります。

見つけたらすぐに自治体や専門業者へ相談

  • 環境整備で寄せつけない庭・畑づくり
  • 地域ぐるみの予防対策

これらを実践すれば、安心して農作業や暮らしを続けることができます。
自然との共存を保ちながら、安全で健やかな地域環境を守っていきましょう。

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